2026.08.04 / ポモドーロ作業会 & 交流会

28本のうち、1本だけが違う。判定はここを見ている。

YouTube収益化
ポリシー診断
チェックリスト

非属人チャンネルに納品している制作者のための、11項目の診断と、再申請に備えて手元に残しておくものの一覧です。

情報の基準時点:2026年7月末
対象:動画編集の窓口 加盟者
判定単位:動画1本ではなくチャンネル全体

はじめに確認すること

これは「動画が消される」話ではありません。広告収益が付かなくなる話です。

コミュニティガイドライン違反(動画削除・チャンネル停止)とは、原因も対策も別物です。クライアントに説明するとき、ここを取り違えると話が噛み合わなくなります。

チャンネルページを開いて、下の11項目を上から見ていってください。当てはまるものにチェックを入れると、画面下に判定が出ます。3つ以上で要対応です。

PART 1

チャンネル診断

所要5〜8分。1つのチャンネルを見終わったら、画面下の「リセット」で次の人に移れます。

必須3項目

ここが欠けていると、他が揃っていても危険側に入ります。

01

音声|合成音声だけになっていないか

危険ゆっくり・ずんだもん・AI音声のみで構成
安全実在人物の肉声が入っている(本人/継続的な専属ナレーター)
根拠|さかいよしただ氏(YouTube公認ビデオコントリビューター) ゆっくり、ずんだもんなど合成音声を使っている時点で「再利用、繰り返しの多いコンテンツ」が原因で収益停止になることは確実です。必ずきます! 全編を肉声にする必要はありません。冒頭と締めだけでも入れられないか、クライアントと相談する余地があります。
02

台本|運営者の一次情報が入っているか

危険ネット記事・他人の動画・掲示板の要約/AIに丸投げ
安全運営者自身の経験・見解・独自調査が原資になっている
根拠|さかい氏(切り抜きへの価値追加について) 合成音声やテロップで入れるのもいいですが、その音声・文章の元になっている台本のオリジナリティ証明が難しいので、これも「再利用されたコンテンツ」の原因になる可能性が高いです
03

動画ごとの差|同じ状況から同じ結末になっていないか

危険同じ型に別ネタを差し替えているだけ
安全ストーリー・焦点・コンセプトが動画ごとに違う
根拠|YouTube公式が挙げる違反例そのもの キャラクターが何度も同じ状況に置かれ、同じ結末を迎える動画 公式は逆側も明記しています。シリーズものや商品レビューのように似たパターンの動画が続くチャンネルでも、動画ごとにストーリーや焦点、コンセプトが異なれば収益化できる テンプレートの再利用そのものは、公式が明確に許容しています。死因は型ではなく、中身まで同じであることです。

外形要件

判定は主に自動システムが行い、内容ではなく外形で見られます。「中身は手をかけているから大丈夫」は通用しません。

04

サムネ・タイトル|並べて5秒で違いがわかるか

危険直近30本を並べると、数字違い・色違いにしか見えない
安全一目で別の動画だとわかる
根拠|ITジャーナリスト 篠原修司氏 判定は自動で行われ、画面の動きが乏しい・生身の顔が出てこないといった外形で判断されます。手間をかけて練り上げた解説動画でも量産型と判定される事例が続出しています。
05

キャラクター|ツール標準アセットのままでないか

危険Vyond等のプリセットキャラをそのまま使用
安全名前・設定・配色がチャンネル固有になっている
06

運営者|誰が作っているか外から特定できるか

危険概要欄にも外部にも、運営主体の手がかりがない
安全実名・法人・書籍・SNS・ライブ配信などで検証できる
根拠|さかい氏の判断軸の中核 「量産されたコンテンツ」にあたるかどうかの私なりの判断基準は【代わりがきく動画か】だと思っています 氏が示した因果は、機械音声・AI生成素材・フリー素材の多用 → 運営者の顔や声が見えない → 誰でもマネやコピーができる → 「代わりがきく」、という順序です。中間項は運営者の可視性であり、素材の種類はその原因にすぎません。

2026年7月の明確化で顕在化

新しく書き足された2カテゴリーに対応する項目です。

07

健康・法律・金融・政治|キャラに専門家として語らせていないか

危険合成音声キャラが専門家風に断定。運営者は不明
安全実在の専門家・当事者の見解を、アニメで可視化している
根拠|新カテゴリー「デリケートなトピックに関連するAIペルソナ」 AI生成のペルソナが人間の専門家を装って助言するコンテンツが対象です。この規定はリアル調のAI人物に限定されておらず、アニメ調ペルソナの例外規定も明記されていません。「うちはアニメだから対象外」という読みには、現時点で条文上の根拠がありません。非属人アニメ×金融・健康・法律解説は、今回もっとも危険度が上がった組み合わせです。
08

感情設計|衝撃・驚きの反復が主目的になっていないか

危険不快感や驚きの反復そのものが再生の動機になっている
安全テーマに必然性のある構成になっている
根拠|新カテゴリー「満足度の低い、または不快なコンテンツ」 名指しされている違反例は、まとまりのあるストーリーがないまま暴力や喪失を繰り返すもの、動物が誇張された苦痛や危険にさらされる動画シリーズ、関連性のないAI生成クリップをつなぎ合わせただけの動画、有名人の死亡や災害を誤認させるフェイク映像。スカッと系・修羅場系のアニメチャンネルは直撃します。

全体俯瞰

1本ずつではなく、チャンネルを引いて見たときの印象を確認します。

09

並べたとき、量産品に見えないか

危険30本並べると、同じ型の差し替えに見える
安全30本並べると、扱っている幅が見える
根拠|収益化停止327件の分析 1本単位ではちゃんと作っているように見えても、チャンネル全体で並べると量産品に見える。これは「中身の品質」の話ではなく、「外から見たときの構造」の話
10

代替検索テスト

危険中心キーワードで検索すると、同型チャンネルが10件を超えて出てくる
安全そのチャンネルでしか得られないものがある
11

制作プロセスを24時間以内に証明できるか

危険台本の履歴も、編集画面も、素材の出所も残していない
安全一式をすぐに集められる場所に置いてある
ここが本命です 当てはまった場合は、PART 3 に進んでください。

PART 2

通知が来たときの初動

クライアントにそのまま渡せる手順です。

  1. 動画を絶対に削除しない 公式は「再審査請求の審査では、現在の状態のチャンネルが評価される」と明記しています。慌てて消すと、証明材料ごと消えます。
  2. 通知の理由を確認する 収益化ポリシー違反か、コミュニティガイドライン違反か。「一般的・繰り返しの多いコンテンツ」か「再利用されたコンテンツ」か。原因が違えば打ち手が違います。「再利用」は同じ動画がYouTube上に大量にある状態を指し、切り抜き・総集編の大量作成・長尺からショート大量作成が該当します。
  3. 期限を確認する 停止予告を受けた場合は7日以内、すでに停止済みなら停止日から21日以内。期限はYouTube Studioの収益化概要、「再審査請求を開始」ボタンの横に表示されます。
  4. 再審査請求動画を作る 5分未満/限定公開/新規アップロード/クライアントのチャンネルから提出/冒頭30秒にチャンネルURL/説明欄に情報を書かない/日本語ナレーション可/個々の動画ではなくチャンネル全体を視野に入れる/制作プロセスの実演を含める。
  5. 結果を待つ 結果通知は14日以内。承認後の再承認は30日以内。不承認でも停止日から90日で再申請できます。

さかい氏は「再審査請求動画の作り方を失敗しなければ収益は1日もかからずに復活できる」と述べていますが、公式の記載は上記のとおりです。クライアントに伝える際は公式の日数を使ってください。期待値を誤らせると、関係に直接響きます。

PART 3

再申請用に作っておくもの

再審査請求で求められるのは「良い動画を作ったか」ではなく、良い動画を作ったと証明できるかです。

そして非属人チャンネルのクライアントの多くは、これができません。台本をどう作ったか、素材をどこから取ったか、編集画面がどうだったか——記録がないからです。

この記録は、制作を受託している側にしか作れません。

「収益化が止まったとき、YouTubeは制作プロセスの証拠を7日以内に求めてきます。それを出せるのは制作を担当している私たちだけです。納品物とセットで、証明資産も残す運用にしませんか」

下の6点は、もともと現場にあるものです。捨てているか、整理していないだけ。整理して渡す運用に変えるだけで、単価根拠と乗り換えられにくさが同時に手に入ります。

ストックする6点

  1. 台本の版履歴 Googleドキュメントで執筆し、白紙→初稿→修正稿の履歴が残る状態にする。Wordのローカル保存は履歴が消えるので不可。 全本
  2. 編集画面の画面録画 タイムラインにカットを並べる→テロップを打つ→書き出す、を早回しで。3〜5分で十分。全案件に必要はない。 3ヶ月に1本
  3. プロジェクトファイル prproj・aep、Vyondのプロジェクト。「自分で組んだ」証拠そのもの。 全本
  4. オリジナル素材の元データ 図解のIllustrator/Figmaファイル、自作イラストのレイヤー付き原本。 全本
  5. 素材の出所メモ 使用素材の取得元と日付を1行ずつ。スプレッドシート1枚で足りる。 全本
  6. リサーチ元のリンク集 台本の各主張がどこから来たか。「他動画の要約ではない」ことの裏付けになる。 全本

格納場所を1つ決めて、案件ごとにフォルダを切ってください。通知が来てから48時間で集められない置き方では意味がありません。

再審査請求動画の構成(5分)

TIME内容使う素材
0:00–0:30チャンネルURLを画面に出して読み上げ。誰が運営しているか名乗るクライアント本人の肉声。代行不可
0:30–1:30企画・台本の作り方を実演。版履歴を画面共有し、白紙から書き上がるまでを見せる01・06
1:30–3:00編集工程を実演。素材を並べ、テロップを打ち、書き出すまで02・03
3:00–4:00オリジナル素材の制作過程。図解のレイヤーを開いて示す04
4:00–5:00チャンネル全体の話。毎回テーマも結末も違うことを、直近動画を並べて説明サムネ一覧

受注時に握っておくこと

冒頭の名乗りは、クライアント本人でないと弱くなります。「顔出しは絶対嫌」という場合でも、声だけ・手元だけで成立します。ただし事前に決めておかないと、通知が来てから揉めます。

受注時の確認事項:「収益化が停止された場合、再審査請求動画で誰が話しますか?」

前提の訂正

聞かれたときに答えられるように。

「7月改訂で新ルールが増えた」は正確ではない

YouTube広報は今回の更新を「新しいポリシーではなく、ルール自体も変わっていない」と説明しています。従来「量産型のコンテンツ」でまとめられていた記述を、3カテゴリーに分けて具体化したものです。

取り締まりの根拠は2025年7月から一貫しており、2026年1月下旬から運用が厳格化された流れの延長線上にあります。「7月以降だけ気をつければいい」は誤解です。

公式ヘルプの日本語版は旧表記のままの可能性

2026年8月4日時点の確認では、公式ヘルプの冒頭告知が「2025年7月15日」のまま、見出しも旧名称でした。画面共有する場合は、その場でリロードして現物を確認してください。

この資料の限界

どこまでが確定で、どこからが推論かの線引きです。

  1. さかい氏はVyond・アニメーションについて名指しで語っていません。「アニメは判定軸ではない」は氏の因果構造からの推論であり、明言ではありません。
  2. さかい氏の主要投稿は全文が取得できていません(XとYouTubeコミュニティ投稿は、いずれもログイン制限があります)。
  3. 新ポリシーの文言は公式ページ上で直接確認できておらず、Tubefilterとユーチュラの引用に依拠しています。
  4. さかい氏はYouTube公認ですが、氏の見解はYouTube公式見解ではありません。本人も「私なりの判断基準」と明記しています。
  5. ポリシーの運用は流動的です。2025年7月の文言変更から一斉摘発まで約半年のラグがありました。今回の明確化の影響も、これから出る可能性があります。
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チェックしてください 当てはまる項目にチェックを入れると判定が出ます